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「ミミズクと夜の王」は、第13回電撃文庫小説大賞で大賞を獲得した作品です。作者は「紅玉いづき」さん、イラストは「磯野宏夫」さんです。

電撃文庫はわしにとって、欠かせないライトノベルの総本山です。あくまでわしにとって。
この電撃文庫の小説からライトノベルを知り、自ら書きたいと思い、歩んでいく(途中休憩盛りだくさん)元となったトコです。

ま、そんな管理人のつぶやきはさておき。


ある日もいつものように本屋さんに寄ったところ、電撃文庫の本が積まれておりまして。

お、新刊が出たのか。

とまぁ、少し楽しみにその本の山を覗き込んでおったわけです。
過ぎ去ったいつかの頃には、電撃文庫の新刊が発売される毎月10日前後を、新刊をチェックしながら楽しみに待っておったのでありますが、今はもうなんだか、好きだった作品もいくつも完結してしまい、熱もなんだか冷めてしまってチェックすることさえしなくなっておりました。

見たこともない名前がいっぱいだなぁ。って受賞作か。

第13回電撃文庫小説大賞受賞作、と帯にでっかく書かれた其れを見ていると、内心は案外複雑なのです。いつかここに、と思う想いだけ先走って、結局何も出来ていない自分を照らし出す現実が其処にあるからでした。
いやまぁ、呟きはほどほどにしまして。
ふと、一つの作品で目が止まったのでした。

…すっげぇ表紙綺麗…

他の作品がキャラキャラしている中で、その作品は油絵のようなタッチで、額に入れて飾られている風景をフラッシュバックさせるように其処に在ったのでした。
夜の色。深く暗い森の天上に明々と月が照る。白いブラウスの少女と見て取れる子が赤い花咲く草原にたたずむ。…そんな絵画。

あー…キタ。

それは背筋がざわりと震える瞬間。
わしはどうやら、自分の中の直感を司る水瓶がふと、あふれるときがあるようです。あふれた水が背中の内側をざわりとくすぐるようなのです。周りの音が一瞬遠のき、鳥肌は全身を一撫でして足の裏から抜けていきます。

これは読まなきゃいかんようだなぁ。

喧騒が戻ってきた頃、わしはその本を手に取りました。ある時を境に、わしは自分の直感を何の躊躇いもなく信じてみようと決めていたのです。それはまるで天啓のように。
あらすじを読んでみても、確かに面白そうでありました。迷うことなくレジに持っていくと、馴染みの店員さんがいました。

買うんですか。

店員さんは言います。

その絵ってあれですよ、聖剣伝説のイメージイラスト描いた人ですよ。綺麗な絵ですよねぇ。

なるほど。まぁ聖剣伝説は2からしかやったことないのでパッと思い浮かばなかったのですが、凄そうなイメージは伝わってきました。しかし、イラストはあくまでイラストな訳です。購入する基準になることはあっても、内容がイマイチであれば評価はされない物なのです。

イラストは確かに綺麗だけど。ま、読むまでわからんさ。

その時すでに、わしの中にあったのは高ぶる好奇心だけでした。近年、受賞する作品のレベルがぐんと上がっているのはもう周知の事実でありましょうし、出ない事すらもある大賞の座を射止めたというそれだけでも、充分に興味引かれるものなのであります。

キャラクター化するよりも、こういう絵画が合うと判断されてこの表紙になったんだろうな。ライトノベル=キャラって図式には当てはまらないんだろうか。でもこんな人を起用するだけあって中身も相当・・・・

とまぁとりとめもなく頭の中で考えていたりしたわけでありました。
さてさて、そんな訳で購入した本を、わしはさっそく読むことにしたのであります。近頃購入した小説なんかは、仕事の忙しさも相まって何ヶ月も読まないまま、なんてことになってしまう場合もよくあるのでしたが、今回は例外といいましょうか。一刻も早く読みたいというのが心情でありました。

・・・不思議な文体。すらすらと流れているかと思えば、時折飛んだり跳ねたり。とても掴みにくいけれど、それがむしろ飽きさせなくて心地良い・・・。

華やかに、たくさんの語彙を用いて飾り立てているわけではありませんでした。むしろそれは、例えるなら一本の白い糸のような。一枚の白い布のような。少しの抵抗も感じさせないまますんなりと体を通り抜けていく感覚に似ておりました。
案の定。わしはご飯の時間が来ても手が止まらなくて怒られるくらい、その物語の中にドップリと沈み込んでいったのでありました。


この物語の内容を語ることは避けたいと思います。
もちろん簡単に説明することは出来ますが、むしろわしはそれを、この小説を読む最中に少しずつ知っていく、それを楽しんで欲しいと思います。
ってわしの小説じゃないですが・・・。
紐解けば、あるいはありふれた物語の形を成しているのかもしれません。しかしながら、それをしてなお大賞に選ばれたのはその語り口と飾ることのない温かさ、登場人物達の個性など様々な要因があったからこそだと思います。
キャラクター小説隆盛の時代において産声を上げたこの絵画のような素敵な物語は、近年のわしの読んだ物語の中でダントツ一位をかっさらっていきました。
だからこそ、万全たる自信を持ってわしはこの「ミミズクと夜の王」を
まだ見ぬ人におススメしたいと思うのであります。

この素敵な物語に出会えたことに感謝して。

作品本体のあらすじの引用にてこの記事の締めの言葉に変えさせていただきます。



魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。
額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。
願いはたった、一つだけ。
「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」
死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。
全ての始まりは、美しい月夜だった。
――それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。
第13回電撃小説大賞<大賞>受賞作、登場。




追伸:ジブリで映画化されんかなぁ・・・

ではでわ
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