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けたたましい騒音が頭の中を激しく貫いても、まだ僕には実感というものが感じられていなかった。
そもそも少し前までは気絶していたのだし、そのまた前は眠っていたわけで、状況を飲み込むような材料がほとんどなかったのだ。
ただぼんやりとわかっている事は、たたき起こされた時に銃口を突きつけられていたことと、首筋を思い切り殴られて気絶してしまったらしいということ。そして再び目を開けてみれば、僕をそんな目に合わせた連中が父率いる近衛師団の連中と激しい銃撃戦を繰り広げているという現実だ。
いやむしろ夢である方が納得がいったかもしれないが、目が覚めてから泣いて叫んだとき、厚底のブーツで思い切り蹴られた顔面に残る痛みは紛れも無く現実だと主張している。鏡が無いので分からないが絶対鼻の骨が折れてるに違いない。
そんな目に合わされてからは涙一つ出なくなった。シュヴァルツ家の長男として恥じない行動を取らねばならぬと父に教えられてきた。
だから必ず助かるのだと、助けてもらえるものだと信じて疑わなかったのだ。
「隊長、俺こんなに可哀想なヤツ見たことないです」
「うるせぇど畜生!無駄口叩いてる暇があったら風穴の一つでも空けやがれ!接近されたら終わりなんだぞ!」
誘拐犯達のそんな言葉を耳の端で拾いながらも、頭の中では先程父から発せられた言葉を何度も何度も反芻していた。
「たった6人相手にマシンガン何丁も・・・さすが金持ちって感じですね隊長。」
「だまっとれバカやろう!なんでてめーらどいつもコイツも危機感がねーんだよ!」
「生き残れそうな気がしないからです隊長。」
「それは言うな!」

『一人残らず殺せ、誘拐されるような息子など私にはいない。』
『…誘拐されるような息子など私にはいない。』
『…息子など私にはいない。』

ならばここにいる僕は一体何者なのですか父上。

「あ、泣き出しちゃいましたよこいつ。隊長、怖い顔しちゃ駄目ですよ。」
「貴様の頭にはウジでも沸いてんのか!冗談は時と場所を考えて言いやがれ!」
「あー!ほら、ちゃんと前見て撃たないとこっち来ちゃいますよ!」
「てめぇ!」
黒く煤けた顔にメガネをかけ直して、男が一人顔を覗いてきた。
「辛いね、君も。」
瞬間カッとなって、男の顔を思い切り殴りつけた。メガネの割れた音がする。
「お前達が僕を誘拐なんてするから!だから父上は僕を」
そこまで喚いたところで、僕の口を覆うように手が伸びてきて、そのまま壁に叩きつけられた。
「切り捨てたのはお前の父親だろうが!」
鋭いナイフのように目を細めてそう怒鳴ったのは、先ほど隊長と呼ばれていた男だ。
「俺達は傭兵だった、てめぇの所の軍隊に入ってあっちこっち戦争に出かけた。それが仕事だったからだ!」
痛いまでの憎しみを伴った視線は、僕を通して父の姿を映していたのかもしれない。隊長と呼ばれたこの男の怒声に、僕は立ち昇った怒りを霧散させられてしまった。
「だのに戦争が終われば不利な罪を全て俺らに擦り付けて切り捨てやがったんだお前の父親は!俺達は膿じゃねぇ、腐った部分背負わされた上に切り捨てられて黙ってられるか!」
今にも顎の骨が砕けそうなほどの力が込められていたが、先ほどのメガネ男が立ち上がって隊長を後ろから抑えた。
「戦争が終わってみれば、残った問題は『非人道的な行いをしてきた』という罪の行方だったんだ。そんなくだらない名声のために罪人に仕立て上げられ、仲間達は命を失った。」
そこまで言うと隊長の腕から力が抜け、僕は顎に痛みが残るものの解放された。
知らなかった。
貴族の息子である自負はあったし、父が戦争に関与しているという事も知っていたが、それは対する悪がいるからで、戦争の終わった今、悪は滅んで父が勝ったのだとそう漠然としか知らなかった。
しかし僕は今知ってしまった。彼らの言葉を聴き、そして受け入れてしまった。
彼らの立場と思いを知った今では、彼らのせいで僕が巻き込まれたなどとは、二度と思うことができなかった。
ならばどうする。一個人となった僕が、存在しない僕が出来る行動は何だ。
「・・・僕を解放しろ。抵抗を止めて僕を差し出せ。」
「はっ、何を言うかと思えば。てめぇを差し出しても俺たちゃ蜂の巣かひき肉だ。」
呆れた顔をして隊長が言う。
「僕が近衛師団と・・・父を止める。」
「無理だ止めとけ。」
「失敗しても僕が死ぬだけだ。そうなれば徹底抗戦でもなんでもすればいい。」
正直、こんなことを言うのは賭け以外の何でもないと僕自身分かっていた。
止められる保証は何も無く、それ以前に言葉を発することすら出来るかどうか定かではない。
しかし今ここで僕が出来る行動として選んだのはこれだったのだ。
「出て行くなりミンチになって終わりだ、それ以上なんかありゃしねぇ。・・・俺は期待なんざしねぇが、てめぇがミンチになりたいってんなら好きにしな。」




続いちゃいました(~_~;)
幾つもの銃口が僕に狙いを定めている。父の手が振り上げられたなら、音と共に僕の身体に一体幾つ穴が空くのだろう。
そんなことを考えている自分はとても命の危機に瀕している気がしなかった。
「父上!賊の手より逃げてまいりました!」
そういって駆け寄ると父は温かく迎えてくれ、残った賊どもは血祭りに上げられました。

嘘END♪

すみませんなんとなく作ってみました!
もーちょいだけ続きます。
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